可愛いΩのナカセカタ

74 α

｢由良、今の由良を無かったことにしてもいいのか？
　人の頭舐め回して、身体擦り付けて、そこまで自分で出来るなら、俺が教えたことも出来るんじゃないのか？｣


　何を指しているか、由良はすぐに理解したらしい。迷いながらも、エプロンの結び目に手が回る。するりとほどけた紐、ぱさりと床に落ちるエプロン。

　外しただけの動作に興奮して、由良は倒れそう。紅に染まる肌と潤んだ瞳。これから俺にどう媚びるかを想像して、その場でハフハフ浅い息を繰り返している。あれから随分時間が経ったが、覚えてるよな？
　しかし、俺の期待を裏切り、由良はシャツを掴み、脱ごうとしていた手を止めボロボロ泣き出してしまった。


｢・・・じ、ぶんはっ
　あのとき、みたいに、出来ないっ｣


はぁ？