可愛いΩのナカセカタ

37 Ω

　早朝にはランニングやトレーニング、昼間は家事をしながら一人でもで出来る体幹トレーニング、夜はたまに遅くなる暴君を待たずに21時には就寝。

　時間の流れが曖昧なアンダーグラウンドと違う、規則正しすぎる毎日。それに慣れるにつれ、元はプロの自分が小学生相手に組手で軽くあしらわれることに徐々に苛立ちさえ感じてしまい、気付けば暴君への言動も変わっていた。

　浴室の鏡で自分につけられた番避け、萩色の首輪を見てその立場とアンダーグラウンドでの5年間を思いだしやるせない気持ちにもなる。風俗Ωに、ここまでしてくれるαもいるのに。なんでΩだと言うだけであんな仕打ちを受けなければいけなかったんだ。

　受け入れていた筈の環境に、忘れていた不満が燻る。こんな気持ち、当に手放していたと思っていたのに。