13 / 621
1 送迎の王子様
10
しおりを挟む
強張った身体を、清人様は優しく肩に触れて緩めてくれる。
そのまま車の中に入るよう背中を押されて、俺は流されるまま車のシートに座ると扉を音もなく外側から閉じられた。
清人様は、車の後部を開けて俺の鞄を入れると、彼女や周りの視線を気にせず運転席へ。
その間も、俺は彼女から睨まれるのが怖くて、膝ばかり見て溜め息。
清人様は何も言わず、腕を伸ばして俺のシートベルトをセット。
自分のシートベルトも締めて車を発進させてしまった。
あぁ、今日も俺は清人様に流されてしまう...
そっと伺った清人様の横顔は、とてもにこやか。
鼻唄混じりで自動車を操縦している。
菊川物産のα御曹司が、どうしてβの俺のために車を運転してくれるんだろう。
運転だけじゃなくて、他にもあるんだけど。
答えは清人様しか知らないのに、俺は小学校のときから一度も聞けずにいた。
そのまま車の中に入るよう背中を押されて、俺は流されるまま車のシートに座ると扉を音もなく外側から閉じられた。
清人様は、車の後部を開けて俺の鞄を入れると、彼女や周りの視線を気にせず運転席へ。
その間も、俺は彼女から睨まれるのが怖くて、膝ばかり見て溜め息。
清人様は何も言わず、腕を伸ばして俺のシートベルトをセット。
自分のシートベルトも締めて車を発進させてしまった。
あぁ、今日も俺は清人様に流されてしまう...
そっと伺った清人様の横顔は、とてもにこやか。
鼻唄混じりで自動車を操縦している。
菊川物産のα御曹司が、どうしてβの俺のために車を運転してくれるんだろう。
運転だけじゃなくて、他にもあるんだけど。
答えは清人様しか知らないのに、俺は小学校のときから一度も聞けずにいた。
1
お気に入りに追加
889
あなたにおすすめの小説
元ベータ後天性オメガ
桜 晴樹
BL
懲りずにオメガバースです。
ベータだった主人公がある日を境にオメガになってしまう。
主人公(受)
17歳男子高校生。黒髪平凡顔。身長170cm。
ベータからオメガに。後天性の性(バース)転換。
藤宮春樹(ふじみやはるき)
友人兼ライバル(攻)
金髪イケメン身長182cm
ベータを偽っているアルファ
名前決まりました(1月26日)
決まるまではナナシくん‥。
大上礼央(おおかみれお)
名前の由来、狼とライオン(レオ)から‥
⭐︎コメント受付中
前作の"番なんて要らない"は、編集作業につき、更新停滞中です。
宜しければ其方も読んで頂ければ喜びます。

Ωの不幸は蜜の味
grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。
Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。
そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。
何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。
6千文字程度のショートショート。
思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。



淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる