例えβに生まれても

三日月

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1 送迎の王子様

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横顔はあんなに冷たかったのに、俺を振り返り微笑む顔はとても優しい。


「さ、ハル、乗って?」


そこに彼女が座っていたことさえ、清人様は無かったことにされてるんだろうな...
鞄を足元に置いて、差しのべられた手に溜め息。
なんでこの方は、こうなんだろう。

立ち上がれないままうつ向いてしまった彼女が、顔を上げてギロッと俺を睨み付けてくる。
咄嗟に清人様の手を握ってしまった。

清人様の周りはαが多い。
αの攻撃的なフェロモンに、寒気が走って息を飲む。
この感じは苦手だ。
それなのに、周りの皆よりも俺は年々敏感になっている気がする。
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感想 70

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