例えβに生まれても

三日月

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35 隔離の王子様

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どういう意味か、をね。
聞きたかったんだけど。
達成感に満たされてる清人様の瞳に見つめられると、言葉なんて出てこない。
俺を見つめる清人様は、いつもの清人様。
俺にだけ見せてくださると知った、優しくて甘くて俺が独り占めしてるなんて申し訳なくなる王子様の微笑み。
とても悪いお顔に見えたんだけど、きっと気のせいだったんだろうなって思えてくる。

あまりにも、奇麗すぎてね。
直視してたらドキドキ胸が高鳴ってきて、目を逸らそうとしたら清人様の乱れたガウンの下から覗いている肌とか、陽太様が目に入って...あれ、そうだよ!
清人様、お仕事があるって言われていたよね?


「...やっぱり、確信犯か」


陽太様は、靴を履きなおしながらふかーーーーーい溜息をつかれていた。
エネルギーも吐き出されてしまったのか、陽太様の全身からは疲労どんよりオーラが出ているみたい。


「あ、あの、大丈夫ですか??」

「ハール、どこ見てるの?
俺のことだけ見ていて?」


清人様は、腕を下げて抱えていた俺の位置を調整。
息がかかる距離まで頬を寄せてこられようとするから、恥ずかしくって、恥ずかしくって暴れてしまう。
撮影していた時より、恥ずかしいのは...清人様とあんなことをしてしまったからだ。
興奮していたあの清人様がちらついて、その唇から与えられた深いキスも思い出して、頭の中が沸騰してしまう。


「き、ききき清人様っ
降ろしてくださいっ」

「ハル、そんなに身体を揺らしたら、降ろす前に落ちちゃうよ?
ちゃんと、俺につかまってごらん?」


落ちるのは、怖いっ
清人様の身長が高いから、落ちたら痛そう。
大人しく清人様の首に腕を回したら、清人様はゆっくりと降ろしてくださった。
そのとき、ちゃんと帯を結んでなかった自分のガウンも、清人様のガウンも全開になってね。
この部屋でしていたことを改めて思い出して赤面。
慌てて襟を掴んで前を隠したんだけど、清人様も陽太様も服の乱れなんて全然気にされてなかったみたい。
それも、そうか。
陽太様が入ってこられた時から、全然隠せてなかったんだから。

陽太様は、清人様の肩に軽く拳を当ててね。


「やってくれたな」


引きつった表情で、清人様を見上げ。
そんな陽太様に、清人様は冷たい眼差しを細めて応えていたよ。
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