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35 隔離の王子様
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「清人は仕事の途中、現場を放り出してここに引きこもってんだからな?!
飛鳥は、それを切り上げさせて、あっちに戻すのが仕事だろう」
「だ、だけど、陽太さん!
あんなの見て、スルーなんてできないわよっ」
陽太様から諫められても、飛鳥様は納得できず。
俺を指差し、矛を収めない。
そ、そうだよね。
急にこんな状況を目にしたら、仕事どころじゃなくなるよね。
小さい時から知っている使用人の息子と弟が、ほぼ裸で抱き合ってて。
しかも、うなじの噛み跡だって見てるんだもんっ
このまま、飛鳥様に問い詰められるんだろうなって、俺は諦めたんだけど。
陽太さんは、微塵も怯まない。
飛鳥様の目を真っすぐ見返し、指とは逆側の扉を指差してここから出ろと迫る。
「清人は着替えさせてすぐに向かわせる。
お前は、それまで現場を繋ぐのが仕事だろう」
「なっ?!
なんで私が愚弟のためにそんなことしなくちゃいけないの??
だって、元々ここにきたのは社長から陽太さんの付き添いをしろって言われたからよ??」
「菊川物産の社員だからだ。
菊川物産の社員として顔を出して、ポスター撮りが出来ていないってことまで耳にしてんだ。
それとも、俺にあそこに行って説明しろっていうのか?」
「そ、それは...」
飛鳥様は、モゴモゴと言葉を濁す。
凄いっ、こんなに弱気になってく飛鳥様、初めて見たよ。
状況も忘れて、思わず珍しい二人のやり取りをマジマジ見ていたら、飛鳥様から両目から殺人ビームでも出そうなくらい怖い顔で睨まれた。
ヒエッ
首をすくめて、清人様の後ろに隠れる。
「......わかったわ。
だ・け・どっ
屋敷に戻ったら、全て白状してもらいますからね!!!」
飛鳥様は、言葉の勢いのままに椅子からカバンをひったくるように持ち上げ、荒々しい足取りで出ていかれた。
バンッと、蝶番が弾け飛ぶんじゃないかと思うくらいに強く扉を閉めていかれたので、俺は心臓が止まりそうになったよ。
陽太様は、「あいつは乱暴すぎるな」とぼやかれていた。
ひ、ひとまず、切り抜けられた、んだよね??
はぁ~と息をついて、その場にしゃがもうとしたら、俺の周りにふわふわ漂っていた清人様の美味しそうな匂いがするフェロモンが、一気に濃厚になってね。
なんだろうと、清人様を見上げたら、うっすらと、そう、悪巧みがうまくいってニヤリと笑う悪人、うぅん、悪人だって青ざめそうなくらい迫力のある悪魔の微笑みを浮かべておられた。
思わず腰が引けて、清人様から離れようとしたんだけどね。
清人様はそれを許さず、俺を抱き締めてクスクス笑いだされる。
「あぁ、これでハルは俺のものだ」
あの...どういうことでしょうか?
飛鳥は、それを切り上げさせて、あっちに戻すのが仕事だろう」
「だ、だけど、陽太さん!
あんなの見て、スルーなんてできないわよっ」
陽太様から諫められても、飛鳥様は納得できず。
俺を指差し、矛を収めない。
そ、そうだよね。
急にこんな状況を目にしたら、仕事どころじゃなくなるよね。
小さい時から知っている使用人の息子と弟が、ほぼ裸で抱き合ってて。
しかも、うなじの噛み跡だって見てるんだもんっ
このまま、飛鳥様に問い詰められるんだろうなって、俺は諦めたんだけど。
陽太さんは、微塵も怯まない。
飛鳥様の目を真っすぐ見返し、指とは逆側の扉を指差してここから出ろと迫る。
「清人は着替えさせてすぐに向かわせる。
お前は、それまで現場を繋ぐのが仕事だろう」
「なっ?!
なんで私が愚弟のためにそんなことしなくちゃいけないの??
だって、元々ここにきたのは社長から陽太さんの付き添いをしろって言われたからよ??」
「菊川物産の社員だからだ。
菊川物産の社員として顔を出して、ポスター撮りが出来ていないってことまで耳にしてんだ。
それとも、俺にあそこに行って説明しろっていうのか?」
「そ、それは...」
飛鳥様は、モゴモゴと言葉を濁す。
凄いっ、こんなに弱気になってく飛鳥様、初めて見たよ。
状況も忘れて、思わず珍しい二人のやり取りをマジマジ見ていたら、飛鳥様から両目から殺人ビームでも出そうなくらい怖い顔で睨まれた。
ヒエッ
首をすくめて、清人様の後ろに隠れる。
「......わかったわ。
だ・け・どっ
屋敷に戻ったら、全て白状してもらいますからね!!!」
飛鳥様は、言葉の勢いのままに椅子からカバンをひったくるように持ち上げ、荒々しい足取りで出ていかれた。
バンッと、蝶番が弾け飛ぶんじゃないかと思うくらいに強く扉を閉めていかれたので、俺は心臓が止まりそうになったよ。
陽太様は、「あいつは乱暴すぎるな」とぼやかれていた。
ひ、ひとまず、切り抜けられた、んだよね??
はぁ~と息をついて、その場にしゃがもうとしたら、俺の周りにふわふわ漂っていた清人様の美味しそうな匂いがするフェロモンが、一気に濃厚になってね。
なんだろうと、清人様を見上げたら、うっすらと、そう、悪巧みがうまくいってニヤリと笑う悪人、うぅん、悪人だって青ざめそうなくらい迫力のある悪魔の微笑みを浮かべておられた。
思わず腰が引けて、清人様から離れようとしたんだけどね。
清人様はそれを許さず、俺を抱き締めてクスクス笑いだされる。
「あぁ、これでハルは俺のものだ」
あの...どういうことでしょうか?
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