例えβに生まれても

三日月

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35 隔離の王子様

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あの声に返事をしなくて良いの?
このまま、ずっと二人だけで良いの?
自分の中に生まれた漠然とした不安が、これ以上清人様に身を委ねている場合じゃないと警告してくるのに。

清人様から、ドロドロのマグマみたいな熱くて重いフェロモンを頭の上から爪先までどっぷりと浴びせられたら、誰かの声はすぐに遠ざかっていった。

俺の耳には、清人様が与えてくださる音しか届かない。
俺の目には、清人様しか入らない。
清人様だけが俺の全て。
こんなに清人様に満たされたら、幸せで溶けてしまいそうだよ。
清人様が側に居てくださるなら、俺は他に何もいらな.....

俺が考えることを全部を放り出しそうになった、ちょうどそのとき。
チッと、突然二人だけの世界に鋭い舌打ちが響いた。

その音が、合図だった。

清人様と混じって沈んで戻ってこれない深みにはまっていた意識がパチンッと弾けて、自分の身体ごと圧倒的な力で引き戻された。
ふわふわ、覚束無く流されていた意識が急に現実に放り出されて混乱する。

あ、れ、あれ、あれぇぇぇーーーーーー?!

目の前には、清人様。
俺を膝に乗せた、清人様。
俺を胸に抱き寄せてる、清人様、が。
い、いつのまに、裸になって......

ボボボボッ

この状況でハッキリ覚醒した途端、身体が全部真っ赤に染まってしまったよっっ

清人様の裸が、裸が.....写真で見るより、逞しぃっ
逞しくて、雄々しくて、その彫像みたいな誰だって見惚れちゃう理想の身体に抱き締められているなんて、ドキドキが高まるっっ

そ、そ、そ、それにぃっ

俺も裸で、オフショルダーの服はいつの間にか床に落ちていて。
下を向いたら、清人様のお腹とか、俺のお腹とか、に。
飛び散った精液が、ベットリついて......コレって、アレしちゃったってことだよね?!

ふわぁっ、もう、気を失いそうだよっ
でも、溢れる情報過多をなんとか処理しようと頭はフル回転。

清人様のおちんちんも、俺のも。
ちょっとくったりしている、ってことは。
え、え、ええええぇっ
い、いいい一緒に、その.....いつの間に?!

記憶が、全然無いよぉーーーっ
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