例えβに生まれても

三日月

文字の大きさ
上 下
538 / 621
33 興奮の王子様

17

しおりを挟む
まるで、俺と清人様しかいない場所に来たみたいだ。
清人様以外の視線も感じなく、清人様しか感じなくて。
清人様のことしか考えられない。


「ハル」

「.....はい」


自覚したのは最近だけど、ずっと、ずっと、好きだった人。
俺なんかの手が届きっこないのに、清人様の方から掴んですっぽり抱き締めてくださった人。

俺がこんなに凄い清人様に好かれてるなんて、一生分の運を全部使い果たしても足りてないんじゃないかなぁ。
どこから前借りしたんだろう。

清人様のことを考えすぎて、段々訳がわからなくなってくる。

名前を呼ばれて、ぼんやりした頭のまま返事をしている間に。
スルリ、と。
バルーンハーフパンツと足の隙間に、清人様の空いていた右手が入ってきた。

太股の柔らかくて薄い内側の皮膚を、まさぐられてるのに。
ぼんやりと、清人様に見とれていた俺には、何をされているのかすぐに理解できない。

俺を見上げる無表情の清人様は、精巧すぎて人間じゃないみたい。
清人様、映像から迷い出てきちゃったのかな。
絵本の王子様が、そのまま出てきたんだって言われても俺は驚かないよ。

ぼんやりしすぎていた俺に、清人様は顔を近づけて来てね。
うっとり見とれていた俺に、とんでもない言葉を囁やかれたよ。
どんなに夢心地のふわふわ意識でも、確実に目覚める魔法の言葉ってあるんだね!

だって、だって、清人様がっっ


「覚えてる?」


そう言いながら、太股をなぞり下がった指で撫でた場所は。
着替えるときに、カプリと清人様に甘く噛まれたふくらはぎで。
ウズウズ、内股とかお腹の下の方がくすぐったくなる場所。

俺が勃っちゃう場所ですっ

言葉だけだったら、絵本にも出てきそうなんだけど、その内容がやらしすぎですっ
しおりを挟む
感想 70

あなたにおすすめの小説

元ベータ後天性オメガ

桜 晴樹
BL
懲りずにオメガバースです。 ベータだった主人公がある日を境にオメガになってしまう。 主人公(受) 17歳男子高校生。黒髪平凡顔。身長170cm。 ベータからオメガに。後天性の性(バース)転換。 藤宮春樹(ふじみやはるき) 友人兼ライバル(攻) 金髪イケメン身長182cm ベータを偽っているアルファ 名前決まりました(1月26日) 決まるまではナナシくん‥。 大上礼央(おおかみれお) 名前の由来、狼とライオン(レオ)から‥ ⭐︎コメント受付中 前作の"番なんて要らない"は、編集作業につき、更新停滞中です。 宜しければ其方も読んで頂ければ喜びます。

Ωの不幸は蜜の味

grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。 Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。 そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。 何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。 6千文字程度のショートショート。 思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。

オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助
BL
 某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。  そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。  聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

白い部屋で愛を囁いて

氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。 シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。 ※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

処理中です...