例えβに生まれても

27 流出の王子様

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｢遊園地以降、あなたの前でしか見せない清人のとんでもない実態を知ってから、私はドン引きしたけどね。
真剣に清人の恋人の座を狙う信者の作品集は、今見ると滑稽だわ。
βに執着してる清人の姿を見せてやりたい｣


御姉さんは、嘲笑、っていうのかな。
暗い微笑みを浮かべ、俺じゃないなにかを鼻で嗤う。
うわぁ、あの写真ってαの恋人の座を巡るマウントの材料だったんだ...
だから、あんななのとか、こんななのとか、いっぱい隠さずに、むしろ見せびらかすために載せていたんだ...
βが同じことしたら、警察に捕まっちゃうんじゃないかな。

あぁ、でも本当に刺激が強すぎちゃう写真ばっかりだったよっ
じっくりなんて見てられなくて、はわはわしながらクリックしまくった分、いろんなポーズの見ちゃった気がするっっ

お姉さんは、欠伸を噛み殺しながら立ち上がった。


｢いつまでも、スマホの電源を切っておくわけにはいかないし、その内清人から電話を取るしかない時が来ると思うわ｡
身内を紹介した繋がりもあるし、着拒否してもそっちから回ってくるしね。
また明日迎えにいくから｣


俺の返事なんて、初めから聞く気が無いんだろうな。
伝票を手に取って会計を済ませると、さっさと出入り口の扉を開けて一人で出ていってしまった。
俺は、すぐには動けなくて。
氷が溶けて、薄味になったオレンジジュースをごっくん。

.....えっと、明日、ですか？