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26 初対面の王子様
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「俺は.....まだ、職場が庭園だからな。
間近で見てきた訳じゃない。
ただ、母さんは屋敷の中で給仕をしていたから.......一馬と遥馬の産休にそれぞれ入った期間以外、屋敷の中で見ているしかない自分を責めていた。
一馬を産んでからは、特に。
子を持つ親として、辛かったんだろう。
遥馬がこうして....清人様の処遇を思って泣く姿を見ると、あの頃の母さんと重なるよ。
もちろん、俺にも内容まで話すことは無かったけどな。
虐待、育児放棄、とは違ったらしいが.....
澪様が陽太様を呼び寄せられた直後、飛鳥様と清人様の扱いの差が露骨だったことを改める旨が使用人には通達されてはいたよ」
どうすることも出来なかった二人の立場もわかる。
助けてあげたらよかったのに、と安易に言えない。
使用人の立場では、渚様達に逆らうことも目を盗んで助けることも出来ない。
菊川家に代々仕える身だから、主従関係が絶対すぎて逆らえない。
それでも.....誰か助けてあげて欲しかった。
あんなふうに過去を語る清人様を、作って欲しくなかった。
どんな顔であの台詞を言われたんだろう。
どんな扱いをされてきたんだろう。
俺が知っている清人様は、始めから完璧で綺麗で世界が違っていて。
周りから認められ、求められる存在。
.....俺、清人様の何を見てきたんだろう。
間近で見てきた訳じゃない。
ただ、母さんは屋敷の中で給仕をしていたから.......一馬と遥馬の産休にそれぞれ入った期間以外、屋敷の中で見ているしかない自分を責めていた。
一馬を産んでからは、特に。
子を持つ親として、辛かったんだろう。
遥馬がこうして....清人様の処遇を思って泣く姿を見ると、あの頃の母さんと重なるよ。
もちろん、俺にも内容まで話すことは無かったけどな。
虐待、育児放棄、とは違ったらしいが.....
澪様が陽太様を呼び寄せられた直後、飛鳥様と清人様の扱いの差が露骨だったことを改める旨が使用人には通達されてはいたよ」
どうすることも出来なかった二人の立場もわかる。
助けてあげたらよかったのに、と安易に言えない。
使用人の立場では、渚様達に逆らうことも目を盗んで助けることも出来ない。
菊川家に代々仕える身だから、主従関係が絶対すぎて逆らえない。
それでも.....誰か助けてあげて欲しかった。
あんなふうに過去を語る清人様を、作って欲しくなかった。
どんな顔であの台詞を言われたんだろう。
どんな扱いをされてきたんだろう。
俺が知っている清人様は、始めから完璧で綺麗で世界が違っていて。
周りから認められ、求められる存在。
.....俺、清人様の何を見てきたんだろう。
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