例えβに生まれても

18 遠距離の王子様

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『......ハル』


ゴクッと、清人様の喉が鳴って。
次に続いた掠れた声の、ゾワゾワしちゃう色気を含んだ声に耳を塞ぐ。

もぅ、やだ、やだっっ
清人様とお電話でお話ししながら聞こえてきていたけど、なんの音か昨日まで全然わからなかった。
わからないし、そんなに大きな音じゃなかったから、ずっと聞き流していた音をを思い出して。
思い出して、思い出して.....想像しちゃう。
清人様のエッチなところが、電話越しに俺にも移ってきちゃうっっ

今だって、耳を塞いでるのに、スピーカーからは清人様が出してる音が流れてきてる。

カチャカチャ、何かを外す音。
ジィーーーーッて、何かを下ろす音。
カサカサ、ゴソゴソ、何かが重なって擦れたりしている音。

あぁ、もう、何か、じゃないんだよねっ
俺が話してるとき。
清人様が話されてるとき。
僅かに聞こえていたその音が、何かって。

俺、わかっちゃったんだものっっ！