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12 疑惑の王子様
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手探りで清人様の手を掴んで、息を吐き出しながら言葉をのせる。
「きよ、と様.....フェロモンを、抑えてください」
気持ち悪くて、でも、吐く程ではなくて。
いっそのこと、吐いた方が楽になるような気すらしてくる。
胃の辺りがムカムカして、頭が重だるい。
「それは、難しいな......これは、俺の気持ちだから」
これが、気持ち?
握り返された掌は優しいのに、このフェロモンは全然優しくなんてない。
清人様に俺は何かをしでかしてしまって、怒らせたんだろうか。
気持ち悪さより、清人様の言葉がショックで。
頭が真っ白になってバランスを崩した俺を、清人様は横抱きにすくい上げて立ち上がった。
フェロモンの源である清人様に近づき過ぎたのが悪いのか。
急に身体の位置が上がったのが悪いのか。
身体に力が全く入らなくなってしまう。
幾重にも重なった清人様の表情は読み取れないし、身体は重くて頭はグラグラ。
フェロモンじゃなくて、これ、なんだか毒みたい.....ですよ。
「きよ、と様.....フェロモンを、抑えてください」
気持ち悪くて、でも、吐く程ではなくて。
いっそのこと、吐いた方が楽になるような気すらしてくる。
胃の辺りがムカムカして、頭が重だるい。
「それは、難しいな......これは、俺の気持ちだから」
これが、気持ち?
握り返された掌は優しいのに、このフェロモンは全然優しくなんてない。
清人様に俺は何かをしでかしてしまって、怒らせたんだろうか。
気持ち悪さより、清人様の言葉がショックで。
頭が真っ白になってバランスを崩した俺を、清人様は横抱きにすくい上げて立ち上がった。
フェロモンの源である清人様に近づき過ぎたのが悪いのか。
急に身体の位置が上がったのが悪いのか。
身体に力が全く入らなくなってしまう。
幾重にも重なった清人様の表情は読み取れないし、身体は重くて頭はグラグラ。
フェロモンじゃなくて、これ、なんだか毒みたい.....ですよ。
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