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11 執着の王子様
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歩いて向かったのは、大通り。
そこには、菊川家の送迎車が待っていた。
後部座席に当たり前のように座らされて、シートベルトを締められて。
無言の清人様は何も教えてくれない。
車が走り出して進んだ先は、お屋敷....あれ、俺の家じゃないんですか?
なんで、お屋敷に連れてこられたんだろう?
「あの、清人様?」
車から降りるように導かれ、手を繋いで前を歩く清人様の背中を伺うけど。
清人様は何も話してくださらなくて。
....えっと、俺はどうしたら?
戸惑いながら通されたのは清人様の部屋。
凄く懐かしいなぁ。
遊び相手の期間を過ぎてからは、ここに入ることなんて無かったしね。
鞄は、一度も俺の手に戻ることなく大きな執務とかに使われるような机とセットになっている椅子に置かれて。
使用人の方が、ワゴンでお茶やお菓子を運んで部屋から出ていくと。
「あぁ、やっとハルと二人きりだ」
隣に立っていた清人様に、両手を握られた。
途端。
ドロリ、と。
部屋の湿度と温度が上がった、のは気のせいじゃない。
俺の目の前で微笑む清人様の身体からは、フェロモンが溢れて部屋をあっという間に埋め尽くす。
色濃く薫るのは、甘く芳しく鼻腔を擽る美味しそうな嗅ぎ慣れた香り。
あれ、でも、なんだか....濃すぎませんか?
そこには、菊川家の送迎車が待っていた。
後部座席に当たり前のように座らされて、シートベルトを締められて。
無言の清人様は何も教えてくれない。
車が走り出して進んだ先は、お屋敷....あれ、俺の家じゃないんですか?
なんで、お屋敷に連れてこられたんだろう?
「あの、清人様?」
車から降りるように導かれ、手を繋いで前を歩く清人様の背中を伺うけど。
清人様は何も話してくださらなくて。
....えっと、俺はどうしたら?
戸惑いながら通されたのは清人様の部屋。
凄く懐かしいなぁ。
遊び相手の期間を過ぎてからは、ここに入ることなんて無かったしね。
鞄は、一度も俺の手に戻ることなく大きな執務とかに使われるような机とセットになっている椅子に置かれて。
使用人の方が、ワゴンでお茶やお菓子を運んで部屋から出ていくと。
「あぁ、やっとハルと二人きりだ」
隣に立っていた清人様に、両手を握られた。
途端。
ドロリ、と。
部屋の湿度と温度が上がった、のは気のせいじゃない。
俺の目の前で微笑む清人様の身体からは、フェロモンが溢れて部屋をあっという間に埋め尽くす。
色濃く薫るのは、甘く芳しく鼻腔を擽る美味しそうな嗅ぎ慣れた香り。
あれ、でも、なんだか....濃すぎませんか?
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