例えβに生まれても

9 脅迫の王子様

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｢変異種Ωには、幾通りか条件があってね。
俺のように強いαが、他のαやβを番にしたいと意識することが含まれているんだよ。
だから.....俺がハルの傍にいるだけで、ハルの中のΩ遺伝子に働きかけてしまう｣


清人様は、目を細め。
握っていた俺の手の甲を親指の腹でゆっくり撫でた。
憂いを含み伏せられた瞳は、指先から俺に流れて止まる


｢ハルがΩになりたくないなら、俺はハルと二度と会えないのか.....辛いな｣


清人様は、このまま御自身が消えてしまうような儚い微笑みを浮かべると、もう一度目を伏せ小さな溜め息を吐き出した。
その一息が、俺を追い詰めているように感じるのは気のせいかな.....気のせいじゃないですよね.....