例えβに生まれても

7 帰国の王子様

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『ハルが、会うことを望んでくれるなら......』


優しく俺を甘やかす清人様の声が、僅かに途切れて。
その、一瞬の間の、すぐ後。
続いた清人様の声は、更に深みが増していた。　


『......俺は、ハルに会いに行く』


決意の滲んだ、力強く、心に迫る声に。


｢....は、い｣


なんとか声を振り絞って答えて。
答えた途端、プツンと通話が切れたスマホ画面をぼんやり眺める。

清人様の声、途切れちゃった。
今度はいつ聞けるのかな。
会いに来てくださるのは、いつになるんだろう。
あぁ、でも、またお会いできるんだ.....

通話と一緒に、俺の身体からもプツンと力が抜けていて。
俺はパタリと身体を倒し、暫くその場所から動けなかった。