例えβに生まれても

三日月

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5 迷走の王子様

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「よしっ、次行くわよ!」 


目当ての写真が取れて、益々テンションが上がるみどりちゃん。
今日のために新調したワンピースの裾をふわりと広げ、俺に手を伸ばす。
えぇっと、たしか次はアトラクションの中でも絶叫系で元気なうちに飛ばしていきたいと力説していたアレかな?

頭上を悲鳴と共に走り去っていくジェットコースター。
回転したり、上下に走ったり、写真より間近で見ると迫力がある。


「清人様達も来てください~」


断るより先に腕を引っ張られ、みどりちゃんが走り出す。
清人様達は互いに顔を見合わせ、ゆっくり歩いてついてきてくれた。
二人とも、全然楽しそうじゃない。


「ねえ、ハルちゃんっ
お二人、とってもお似合いね。
お付き合いされてるのかしら?」

「んーーーどうかなぁ」


清人様、お付き合いされる方を俺に選ばせようとされるくらいだから、候補の中の一人、になるのかなぁ。
αの方々の交遊関係がよくわからなくて、俺はみどりちゃんにうまく答えられなかった。
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