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2 御屋敷の王子様
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口喧嘩が続く中、俺の顔色が悪くなったことに気づいた清人様が車を急発進。
追撃してきた飛鳥様と、短いながらも乱暴なカーチェイスで屋敷の前に二台で乗り付け。
騒ぎを聞いて出迎えた陽太様に居間に呼び出されてしまった。
陽太様に二人が叱られているのを、除外された俺は倭人様の相手をしながら聞かないふり、見ないふり。
αが孕親とは言えΩに叱られるなんて、本来特にこの菊川家に於いてあってはならないこと。
菊川家は、現当主澪様の代に替わるまでα至上主義を貫かれていたからね。
周りの使用人の皆さんも心得ているから、聞かないふり、見ないふり。
「ハルマは、にぃちゃんの車に乗れて良いなぁ。
僕は乗せてくれないんだ」
壁際で陽太様達に背を向けて、俺はしょんぼりと目を伏せる倭人様に曖昧に笑う。
倭人様とは、この屋敷に通っているときもあまり接点がなかった。
しかも、お役御免になってからの四年間は全く会ってなかったのに、玄関で俺を見るなり名前を呼んで走ってきてくれたから...年が離れていても溢れるαの才能にどう返して良いのか迷う。
それに比べて俺の記憶力なんて脆すぎて、保育園の頃の記憶なんて本当に怪しい。
一緒のクラスになった子だって覚えてないよ。
家に遊びに来ていた使用人の子ども、なだけの俺をしっかり覚えていられるなんて凄すぎるよ。
追撃してきた飛鳥様と、短いながらも乱暴なカーチェイスで屋敷の前に二台で乗り付け。
騒ぎを聞いて出迎えた陽太様に居間に呼び出されてしまった。
陽太様に二人が叱られているのを、除外された俺は倭人様の相手をしながら聞かないふり、見ないふり。
αが孕親とは言えΩに叱られるなんて、本来特にこの菊川家に於いてあってはならないこと。
菊川家は、現当主澪様の代に替わるまでα至上主義を貫かれていたからね。
周りの使用人の皆さんも心得ているから、聞かないふり、見ないふり。
「ハルマは、にぃちゃんの車に乗れて良いなぁ。
僕は乗せてくれないんだ」
壁際で陽太様達に背を向けて、俺はしょんぼりと目を伏せる倭人様に曖昧に笑う。
倭人様とは、この屋敷に通っているときもあまり接点がなかった。
しかも、お役御免になってからの四年間は全く会ってなかったのに、玄関で俺を見るなり名前を呼んで走ってきてくれたから...年が離れていても溢れるαの才能にどう返して良いのか迷う。
それに比べて俺の記憶力なんて脆すぎて、保育園の頃の記憶なんて本当に怪しい。
一緒のクラスになった子だって覚えてないよ。
家に遊びに来ていた使用人の子ども、なだけの俺をしっかり覚えていられるなんて凄すぎるよ。
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