ヘタレαにつかまりまして

29 初代

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今期の風紀委員は、三月までの三ヶ月間の短期。
立ち上げに際して定められた規則に、不備がないかなどの確認が主だ。
四月以降は、クラス編成後に再度各クラスよりβが一名選ばれる。

三枝は、｢生徒会にはβが俺か檜山先輩しかおらんしな。三ヶ月やったら、俺がやるわ｣と男気で最終的には引き受けていた。

だがな、三枝。

風紀委員長に、檜山先輩は元々候補に上がっていない。
フェロモンレイプを未然に防いだ当事者の一人、βの三枝が風紀委員長をするから意味をもつ。
βへ権限を持たせることを嫌がるαも、三枝に対しては流石に真っ向から反対し、風紀委員会の設立を阻める雰囲気じゃないからな。

三枝を壇上に迎えた講堂内は、期待に満ちている。
αは、Ωから仕掛けられたフェロモンレイプに屈することが無くなる期待。
βは、自分達から出た英雄が今後も活躍してくれる期待。
Ωは・・・フェロモンレイプではなく、αやβにバレたときの砦として頼れる存在で居て欲しいな。