ヘタレαにつかまりまして

三日月

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27 デート

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点灯の瞬間は、駅前の通りに人が増えると三枝から前もって教えてもらっていたので。
俺はその瞬間を、ソファーに座ったままヤマの隣で迎えることにした。

飲み終わっているのに居続けていいのか心配になったが、テラス席と窓際の特に二人連れは目的は皆同じらしい。
店内に人が増え、オーダー待ちの列が店外まで続いていてもどの席も座ったまま。
思い思いにのんびりと時間を過ごしながら、視線は外に向かっていた。

18時ちょうど。

一斉に、通りの街路樹や駅前に特別に設置されたツリーのイルミネーションが点灯。
店内では、わぁぁっと歓声と疎らな拍手が続き、通りを忙しなく歩いていた人も、足を止めてその眩い光に魅入られる。

俺も例外じゃなく。
口をポカンと開いたまま、ガラス越しのイルミネーションに見とれていた。

凄い・・・桜宮家でもイルミネーションはしていたが、何かが違う。
光だけじゃなくて。
その場にいる人、皆が感動しているのも伝わってきて。
こんなふうに、気持ちを共有出来る場所にヤマと一緒に居れて。

予想以上の興奮と感動が一気に押し寄せてきて、胸に迫る。
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