ヘタレαにつかまりまして

27 デート

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｢・・・菊川を人前で殴るのも、本来ならそれに対して俺達から桜宮に制裁を加えるべきだが・・・｣

｢はぁ？
かなちゃん、菊川殴ったのか？｣


たった今起こったところまで松野の説明が進むと、殺気を帯びた笹部の視線に射ぬかれる。
机上に鞄を放り投げ、即座にその腕が俺の胸元に伸びてきたが。
それが俺の身体に届くことは無かった。


｢どんなことがあっても、奏に手を出すな｣


さっきまで机に突っ伏していたヤマの手が、俺まであとわずかに迫っていた笹部の手首を握り、力をギリギリと込めていく。
笹部は納得がいかないとヤマを睨むが、ヤマの手から力が全く抜けず。

それどころか。

ヤマの周りから、ゾワッと寒気がするフェロモンが流れ出してきて松野達が慌てて笹部を止めに入った。