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「じゃあ、暗くなってからだな。
あ、もし、カナが嫌じゃなかったから、昼過ぎか夕方に街に出て、店を見ながら外でご飯食べないか?」
不意にヤマがこっちを振り返るから、もう少し顔を離すのが遅れたら頭と歯がぶつかりそうだった。
こっそり悪いことをしてしまったような気恥ずかしさで顔を逸らした俺を、ヤマは不思議そうに見上げる。
「・・・あ、俺、欲張りすぎた?」
「いや、そんなことない。
店には入ってみたいし、ご飯も食べたいし・・・嬉しい」
「無理、させてない?」
首を縦に振ると、ヤマはホッと息をついた。
俺が桜宮家の屋敷の外で過ごした場所は、限られている。
学校や幼稚園、桜宮家が関係するか同世代のαだけ集められたパーティ・・・
その場所への交通手段も全て送迎車。
door to doorで、寄り道も無かった。
Ωと気付かれないように常に屋敷の外では気を張っていたし、街中を歩くなんてことは考えられなかったんだ。
窓の外に流れる景色は、別次元のように遠かった。
あ、もし、カナが嫌じゃなかったから、昼過ぎか夕方に街に出て、店を見ながら外でご飯食べないか?」
不意にヤマがこっちを振り返るから、もう少し顔を離すのが遅れたら頭と歯がぶつかりそうだった。
こっそり悪いことをしてしまったような気恥ずかしさで顔を逸らした俺を、ヤマは不思議そうに見上げる。
「・・・あ、俺、欲張りすぎた?」
「いや、そんなことない。
店には入ってみたいし、ご飯も食べたいし・・・嬉しい」
「無理、させてない?」
首を縦に振ると、ヤマはホッと息をついた。
俺が桜宮家の屋敷の外で過ごした場所は、限られている。
学校や幼稚園、桜宮家が関係するか同世代のαだけ集められたパーティ・・・
その場所への交通手段も全て送迎車。
door to doorで、寄り道も無かった。
Ωと気付かれないように常に屋敷の外では気を張っていたし、街中を歩くなんてことは考えられなかったんだ。
窓の外に流れる景色は、別次元のように遠かった。
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