ヘタレαにつかまりまして

27 デート

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｢いや・・・それは・・・｣


芝浦は、言葉を選ぶのに躊躇った様子。
三枝を傷付けないように気を使っているのか？
樟葉はそんな迷う芝浦を見上げ、｢んっしょ｣と身を離して三枝に話し掛ける。


｢フフフ・・・たぁちゃん芸能人だから、デート何てしたらファンに怒られちゃうよぉ。
僕が番だって言うのは、公言してる訳じゃないけど別に隠してもないけどねぇ｣

｢えぇーーー・・・なんか、寂しいなぁ。
かなちゃんもみこちゃんも、デートしたないん？｣


首を傾げ、興味本意ではなく心配して尋ねているのが三枝から伝わってくる。
βの中で育ってきた三枝にとっては、未だに番の関係がうまく整理できていないんだろうな。
全てが二次元のような恋愛絡みの関係にはなっていないし、未だに当事者であるαもΩも番と結婚とを別に考える者が多い。


｢したくない訳じゃないが・・・｣

｢フフフ・・・僕は、たぁちゃんの番に成れただけで幸せだからそこまで望まないよぉ｣