ヘタレαにつかまりまして

三日月

文字の大きさ
上 下
693 / 1,039
26 注目

21

しおりを挟む
遠巻きにされるのが当たり前になってしまったカフェテリアから、ヤマを先頭に連れだって歩き出すと。


「さ、三枝先輩~」


廊下の隅から中等部のブレザーを着た女子生徒の集団が、一生懸命に喉の奥から声を振り絞る。
高等部の青系統の藍色に対して、中等部のブレザーは赤系統の茜色。

カフェテリアは中等部と高等部の校舎の間に建築され共有している。
互いの行き来は厳しく禁止はされていないが、部活の交流以外でわざわざ相手の校舎に出向く生徒はいない。
カフェテリアが日常に於いて唯一の接点だ。


「ん、呼ばれた?」


小走りで無防備に向かう三枝の背を、少し離れて笹部が歩いて追うが警戒している様子はない。
念のため、といったところか。


「あの、あの、学園祭ではお疲れさまでしたっ」

「生徒会活動も、が、頑張ってくださいっっ」

「ほ、放課後、体育館に見学に行ってもいいでしょうかっっ」


呼んだ側である女子生徒達は、近づいてきてくれた三枝にキラキラ瞳を輝かせ。
逃すまいと取り囲み、今がチャンスとばかりに次々言い寄った。
しおりを挟む
感想 205

あなたにおすすめの小説

恋愛対象

すずかけあおい
BL
俺は周助が好き。でも周助が好きなのは俺じゃない。 攻めに片想いする受けの話です。ハッピーエンドです。 〔攻め〕周助(しゅうすけ) 〔受け〕理津(りつ)

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

白い部屋で愛を囁いて

氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。 シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。 ※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

上手に啼いて

紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。 ■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

処理中です...