ヘタレαにつかまりまして

26 注目

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常に抜き身の、切っ先の鋭く尖った刃のような柴田と。
いざというときに抜刀して、相手を薙ぎ払うような芝浦。
教室の中央。
一重の翡翠と二重のブルーグレイの瞳が互いを映し、周囲の空気は張り詰め一触即発。

ヤマがなぜこんなに悠長にしていられるのか、全く理解が出来ない。

バンッ

そのとき睨み合う両者を一瞬で止めたのは、机を掌で打った笹部だった。


｢勝手はすんじゃねぇよ？｣


芝浦の背に向かい、低く呟いた声は柔らかいが。
有無を言わせない強さが含まれていた。
芝浦も柴田も視線を互いに反らし、自席に戻っていく。
最前列の窓際が芝浦で、樟葉の右隣が柴田らしい。

こんな調子で毎日睨みあっていたなら、クラス解体の対象にはなるな。


｢・・・フフフ、おはよぅ～｣

｢うわぁっ｣


前にばかり気を取られ、背後から囁く樟葉に飛び上がってしまった。
け、気配が無さすぎるだろう・・・