ヘタレαにつかまりまして

25 勉強

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｢でもカナ・・・上手くてよく知ってるし｣


｢ごめん、ごめんね、カナ｣と、何度も謝るヤマに部屋着を押し付け、一歩距離を置いてから改めて睨み付けてやる。
こんな手の内を明かすつもりなんか無かったのに。
下唇を噛んで拗ねるなよ、バカ。


｢俺は、Ωとして番相手のαに恥をかかせないよう教育を受けてきたんだ。
だが、あくまで勉強の一環、知識だけだ。
家庭教師相手に、俺や俺の親が実践なんか許すわけないだろう｣


上手いわけがない。
上手くなりたい、とは、思うけど。
それだって、番としてじゃなく、相手がヤマだから自然に思えるんだ。
他の誰にも目がいかないように、ヤマを独り占めしたいから。