ヘタレαにつかまりまして

三日月

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ポージングを決めている雑誌の中の芝浦は、目の前でヤマに屈託なく話しかけている年相応さを感じない。
大人びていて、なんというか、芸能人独特のオーラを感じる。
目を惹き付ける華がある。

樟葉が選んできた切り抜きは、来月のクリスマスを意識したものが多い。
どれも女性モデルとの絡みがあり、中には半裸で抱き合ったり、キスをしたり・・・仕事、だから平気なのか?
樟葉は、どの芝浦にも「たぁちゃん、格好いいでしょぅ」と誇らしげにコメントしている。

樟葉は芝浦の番だと三枝からも聞いたが、俺だったら、今の俺だったら、ヤマが自分以外の誰かとこんなことするのは絶対に嫌だ。


「あと、特製オフショットォ~」


樟葉は、前髪の隙間から黒目勝ちな右目を輝かせ、鞄から新たに赤い表紙のアルバムを取り出す。
表紙が随分擦れていて、角にも擦りきれた跡がある。
スクラップブックと違い、年期が入っているものだと一目でわかるものだった。

それを、すぐにはテーブルに置かず、ギュッと胸に抱えてはにかんでいる姿。
見ている限り、樟葉は芝浦に好意があると思うんだが・・・
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