ヘタレαにつかまりまして

23 クラス替え

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｢こちらこそ、お世話になってます。
俺と同じ番持ちのΩなんだよね？｣


思わず、声のトーンを下げてゆっくり話してしまう。
普通に話したら、怯えられるんじゃないかと思えるくらいに弱った小動物のような雰囲気がある。

樟葉は、黙ったままコクンと首を縦に振り、髪の隙間から覗く瞳に今度はヤマを捉えた。
ヤマは俺の両手を離さず、ただ、無感動に樟葉を見返して・・・


｢・・・はぅぅ｣


クラリ、バタン。

えぇーーーーー？！

突然目眩を起こしたのか、樟葉は鞄を抱えたままその場に後向きに倒れてしまう。


｢み、みこちゃん？｣


三枝が席から立ち上がり、床に倒れた樟葉に声をかける。
俺も、樟葉が心配で立ち上がり助けてやりたいが・・・


｢ヤマ？｣


ヤマに握られた手を、引っこ抜こうと力を込めても離して貰えない。
腰だけ浮かした状態では、樟葉を助け起こそうにも片手では届きそうになかった。