ヘタレαにつかまりまして

23 クラス替え

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そんな勝ち誇った顔されてもだな。
俺だって譲れないぞ。
こんなヤマに見つめられて、授業なんて受けられないし、いくら公認の仲でも周りに迷惑をかけすぎだろう。


｢ヤマ？｣


意識して、ヤマに負けないくらいに甘く名前を呼び。
チョイチョイと、手を引いて歩くのを止めさせる。


｢うっ・・・｣


俺が弱いのと同じくらい、ヤマだって甘く名前を呼ばれるのは弱いはずっ
じっと黙ってヤマの顔を見上げ、お願いっと念を視線に込めた。
あざとさでは定番だと萩野から聞かされてはいたが、上目遣いのお願いをするのは初めて。
予想以上に効果はあるらしく、ヤマは狼狽えながらもキュッと口に力をこめて一文字に結ぶ。

俺が交渉しようとしているのを、松野と竹居が察してくれたらしい。
足を止めて、笹部達にも後ろを向くよう指示してくれた。