ヘタレαにつかまりまして

三日月

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22 ヤマ

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「本体は、寝てるんですってね?」

「倭人の目の下、クマが出来てたしな。
単に寝不足と気の緩みだろう。
桜宮さんも疲れているのに、本当にバカ息子ときたら・・・」


陽太さんは、俺達が帰宅してすぐに離れに様子を見に来てくれていたが、ヤマは帰ってくるなりベットで眠り込んでしまって言葉を交わしていない。
そのときは、ヤマの寝顔を見て安心されて。
俺と常駐している使用人以外がいると、ヤマの気が散るかもしれないからと早々に屋敷に戻られた。

けれど、今の陽太さんは眉間に皺を刻み、舌打ちまでしている。
ずっとヤマのことを心配されていた分、反動が来ているのか?
それでも使用人には、ヤマ用の夕食分を離れに持ち帰れるよう手配してくれた。
昼食は、検査を間に挟み、質疑応答も兼ねた病院での会食。
ヤマは答える時間が多く、あまり食べる時間がなかった。
目が覚めたら空腹なのは間違いないだろう。

陽太さんがデザートを食べ終わったのを見計らい、先程両親とも打合せ済の件を口にする。


「まだ本人には伝えてないのですが、今回の件も踏まえて、菊川家と桜宮家、両家の全面的な協力を前提にお願いしたいことがあります」


二度とヤマに手を出すΩを出さないために、策を弄するに越したことはない。
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