ヘタレαにつかまりまして

三日月

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21 カナ side 倭人

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「俺は、触ってほしいぞ?」


は?

ポツリと、飛び出した桜宮の言葉。
その衝撃の内容が耳に入り、脳に伝わって理解するまで頭が真っ白。
理解しても、全然気持ちが追い付かなくて、聞き間違いかなって、思わず桜宮を確認してしまった。
天井から足元に視線を下ろしてしまった。
そこにいたのは、俺の左足を抱き締めたまま。


ふ、ふにゃぁ?

ん、やっぱり、ふにゃぁと形容する以外思い付かない、緩くて甘くて蠱惑的な笑みを俺に見せてる桜宮が。
開襟シャツのボタンを片手で外し始めていて。

ちょ、何やってんの?
桜宮、正気に戻って!
俺は、番になった記憶ないんだよっ
桜宮に選んでもらった記憶もないのっ


「桜宮っ、落ち着いてっ」


もう、躊躇ってる暇なんかなかった。
左足を桜宮の下から引っこ抜いて、俺はソファーの上に避難。
引っこ抜いたときに、桜宮が「んん"っ」って。
キュッて。
辛そうな顔して、とんでもない声漏らしていたけど。

聞こえなかった!
俺には、聞こえなかった!

だから、だから、俺自身もビンビンに反応しないで静まってっ
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