ヘタレαにつかまりまして

三日月

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21 カナ side 倭人

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俺をフェロモンレイプしようとしたΩのことなんて、実感がないから話には聞いても頭の角に押しやっていたし。
桜宮が番ってわかってからも、気分が悪いなんて思いもしなかった。
そんな言葉を出してきた桜宮に驚いてしまう。
あぁ、でもなんか勘違いさせて桜宮を悲しませてる。


「気分悪くなんて、全然ないっ
桜宮、か、可愛いし・・・」


まっすぐ目を見て、桜宮を見て話す勇気はなくて。
視線が宙をさ迷ってしまう。
ビシッと言えない自分の不甲斐なさが情けない。
椅子に座り直し、足元を見たままでもごもご。


「・・・そう、か?」

「それより、桜宮は姉貴と番になるはずだったのに俺が無理に番にしたんじゃないか、そっちが気になって」

「フェロモンレイプだって、言っただろう?
それまでに倭人さんの方から番になって欲しいとは言われていて、その後に俺も番になるって決めて。
誘発剤の効果が現れた後は、なし崩し。
倭人さんは好きになってからがいいって、今回みたいに抵抗はしていたけどな」


そ、か。
良かった!
桜宮は、俺と番になってもいいって思ってくれてたんだな。
あからさまにほっとした俺に、桜宮は首をかしげていた。
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