ヘタレαにつかまりまして

20 桜宮 side 倭人

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時間外の日曜日、俺のためだけに集まった脳・神経内科、心療内科、精神科のそれぞれ専門医に画像診断含めた診察をしてもらったが・・・
急に召集されたとは思えないほど、廊下にまで見学希望の白衣が溢れ、熱気が凄い。

フェロモンレイプに抗うことが出来た事例は記録にないため、検証分析に皆一様に前のめり。
検査の前後に大会議室に通され、重複質問の無駄が起きないよう全体での情報共有時間もあった。
検査自体も公開式で、例えばCTスキャンデータなんかは即時別室の大画面に映されていたらしい。

俺が提供出来るのは、身体メイン。
記憶がどこからどこまで飛んだのか、とか。
質疑応答の範囲はかなり狭い。
フェロモンレイプの現場に関する質問は、付き添ってくれていた桜宮が答えていた。

背筋をピンと伸ばし、私見を交えないよう、丁寧に詳細に話す姿は、俺の知っている桜宮。
あまり負担をかけないようにと、質問の数も時間も制限はあったけれど。

桜宮が語る事件の内容は、他人事でしかなく。
聞いていても実感や、不意に思い出すようなことは何一つ無かった。