ヘタレαにつかまりまして

三日月

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20 桜宮 side 倭人

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桜宮と父さんの間に走った、ただならぬ緊張感。
俺は何を言っていいか、どうしたらいいかもわからず、ただ、黙って布団から出ずに二人を見比べていた。

そんな俺に桜宮は、動揺を無理矢理抑えこんだ抑揚のない声で簡単な質問を幾つか投げてきた。
それに答える度に、二人の表情はどんどん固くなって行く。
何が正解かは、わからないけど。
自分の答えが、二人の求めたものではないことは、明白だった。


ーイマハ イツ?

ーココハ ドコ?

ーアナタハ ダレ? 

ーダレト ドコニ スンデイル?

ーキョウ ナニヲ シテイタ?

ーキノウハ ナニヲ シテイタ?

それから、それから。
・・・はい、いいえじゃ答えられない。
答えにつまったり、躊躇うような質問はなくて。
具体的な俺の答えを、桜宮は求めていた。

そんな質問はもっと続いていたけど。
壁際の置時計は、半時間と少ししか動いていなかった。

けれど、答えるごとに息が詰まっていく感覚が、もっとその時間を長く感じさせていた。
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