ヘタレαにつかまりまして

19 対処

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｢えぇよ、えぇよ、かなちゃん｡
あとは、生徒会皆で考えてフォローするから。
かなちゃんがいつもと違うんは見てたらわかるし、それどころやないんやろ？｣


口を開く前に、三枝に両手を振って止められた。
そのまま背を向け、窓を開けて換気してくれる。

吹き抜けて行く風に、床に散らばるプリントや写真が多少煽られ動いてしまうが仕方ない。
新鮮な空気に、思わず深呼吸。
自分の火照った身体には心地が良い風だった。


｢ここであったことは生徒会皆に話すし、四階警備のこと、箝口令のこと、あと、現場検証も事情聴取も｣


窓際から戻ってきた三枝は、俺の顔を覗きながら一生懸命に右手の指を全て折り。
最後に人差し指を立たせて、自分の頬を指差した。


｢この、申請も、全部全部引っくるめて｣


まるで俺を諌めるように、諭すように。
いつも感情を映してコロコロ表情を変える瞳を見開き、言葉を続けた。


｢もう、全部俺にって格好はつけられんけど、な。
かなちゃんには、菊川君以外にも頼れる仲間がおるんやから。
こんなときは、皆に任せてしまえばえぇねん。
俺、皆に報告してくるし、かなちゃんはゆっくりしてなさいっ｣


最後はその人差し指で俺の頬、キスマークシールをつんっとつつき。
アリス三枝は、ミニスカートをひるがえし部室を出ていった。