ヘタレαにつかまりまして

三日月

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18 巡回

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発情フェロモンが満たされた部屋にいるだけでも、αにとって正気を失う環境だ。
さらに根源のΩに接近され、限界をとうに越えていたヤマは力尽きたんだろう。

カーテンを投げ付けたのは、最後の抵抗。
声にならない悲鳴をあげて、その場でよろめき後ろに尻餅をついた。
性的興奮に、額から尋常じゃない汗が滴り落ち、顔や掌、衣服の間から見える肌の色は赤く濃く色づきその異状を知らせる。

柏原が、投げつけられたカーテンに体勢を崩している間に、今のうちにっ


「さえ、ぐさ・・・頼む」


声を振り絞り、自分でも床に右手をつき立ち上がろうとする、が。
意識ほど身体はコントロール出来ずに、上手く身体に力が入らない。
隣でずっと手を握ってくれていた三枝。
その存在を再認識し、託す。


「・・・行くでっ!」


力強い腹を括った三枝の声。
初めて目にするフェロモンレイプの現場。
それでも状況を把握して、俺達を助けようと握った掌に力を込めて応えてくれる。
俺は、いつの間にこんな恵まれた環境にいたんだろう。
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