ヘタレαにつかまりまして

三日月

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18 巡回

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ヤマの性的興奮に、番の俺は発情してしまう。
そしてそのヤマは、現在柏原の発情フェロモンで無理矢理性的興奮を引き出されている。
この状況下で自分がどれくらい動けるのか・・・

三枝と顔を見合わせ、部室に向かって走る。
一歩一歩近づくにつれて、緊張が高まる。
番相手に呼応するΩの発情は、条件に個体差がある。
試したこともない状況下で、俺がどこまでヤマに引きずられずにいられるか・・・正直自信がない。

それに、誘発剤を使用した強力な発情フェロモンの中で、αが他の人間を識別出来た話を聞いたことがない。
目の前のΩを独占することに全てが支配されてしまう。

俺の発情に、ヤマは気付くのか?
いや、障害物として認識されてからの時間稼ぎがどれだけ出来るかを考えた方が現実的か。

笹部もそれを気にしていたんだろうが・・・三枝一人に二人の対応を託すのは難しい。
朦朧とした発情Ωは隙だらけだが、求め興奮するαは時に暴力的で邪魔するものに容赦がない。 
俺が間に入って、時間を稼ぎたい。

新聞部の部室前まで辿り着くと、三枝は素早くケースから抑制剤を一本取り出し俺に目配せ。
二人の握りあった手を引手にかけた。
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