ヘタレαにつかまりまして

18 巡回

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食べ終わり次第、ヤマと俺は巡回だな。
黒猫の包み紙から出てきた紫色と黒の渦巻きクッキーを恐る恐る口にいれると、どうやらサツマイモとココアのクッキーだったようだ。
甘味が口に広がる。

巡回中は、違反者の取り締まりやもめ事があれば仲裁に入る。
三時間経ったら、杉本先輩と竹居に交代して次が笹部と三枝。
ヤマと俺は、全部見て回るつもりだったからな。
むしろゆっくり見て回るように、時間を長くとってある。

樟葉先輩と檜山先輩と松野は、演劇部や軽音部の発表に使われている講堂担当。
役割は、ヤマと樟葉先輩が決めていたが・・・個人的にはお祭り好きの杉本先輩と、楽しければ全て良しの竹居のペアがやり過ぎないかが心配だ。


｢菊川生徒会長、新聞部が呼んでるぞ｣


受付にいた二年生が席まで呼びに来る。
さっきの記事がもう出来たんだろうか？
ヤマは、一緒に黒カーテンの外に出た後、再び席に戻ってきた。


｢速報で明日新聞を出すから、記事の確認にすぐ来て欲しいって｣


俺も椅子から腰を浮かそうとするが、ヤマに止められる。


｢確認だけだし、奏では残ってて良いよ。
まだ飲めてないだろ？
ちょうどこの真上だしそんなにかからない。
笹部、俺が戻るまで奏も見ててくれ｣


確かに、ヤマのカップは既に空だが俺はまだ半分ほど残っていた。
ヤマは自分のお皿に残っていたお菓子を笹部のお皿へ全部移動し、返事も聞かずに笹部の肩を叩くと一人で実験室を出ていってしまった。