ヘタレαにつかまりまして

三日月

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18 巡回

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待っている間も、カーテンで部屋の中が見られないよう出入り口が遮られていたが。
窓も完全に施錠されて、黒いカーテンが引かれているし、電灯も半分しかつけられず薄暗い演出がされている。
壁には、目と口鼻がくりぬかれたかぼちゃの切り抜きや墓場のイラスト。
天井からは、恐らく釣糸でコウモリやお化けを型どったモビールがぶら下がっていた。

机には、チョークで不思議の国のアリスのワンシーンが描かれていて上から透明のシートを被せ消えないように止められている。
座った席は、お茶会のシーンか?
かなりデフォルメされて、可愛すぎる二等親のアリスが、帽子屋と双子と料理の溢れた机を挟み話をしている。

食券を三枝に渡すと、一度片開き扉で繋がっている準備室に引っ込んでからカプチーノとお菓子を三人分持って来てくれた。
カプチーノの表面には、ココアパウダーでコウモリやジャックオランタンのイラスト入り。
陶器のカップと小皿はハロウィン柄で、載っているお菓子の包み紙もハロウィンのプリント柄。

ハロウィン喫茶と銘打っているから、統一しているんだな。

カプチーノ以外にジュースも用意されているが、これが一番人気、毎年バスケ部の恒例メニューだ。
普段は、職員室にカプチーノメーカーを貸し出す代わりに、メンテナンスは教師持ち。
豆は、毎年駅前の喫茶店にバスケ部用にブレンドしてもらうこだわりようだ。
食器も、埃と汗まみれの部室には置かず喫茶店に預かってもらっているとか。


「お待たせしました~」


三枝は、ウサミミを揺らしながら実験室の床に固定されている長方形のテーブルに置いて回る。
たどたどしいながらも、ミルクを溢したり、お皿を斜めにしないよう慎重にしているのが伝わってくる。
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