ヘタレαにつかまりまして

三日月

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18 巡回

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「かなちゃん、待ってたぁ~」


食券をヤマに買ってもらい、ハロウィン喫茶の中に入ると。
席に座っている客に話しかけられていた三枝が、気付いて接客を放棄し走ってきた。
まだ開始一時間も経ってないのに、疲労困憊、笑顔がくたびれている。

客席に目を向けると、即座に目を反らす生徒や来場者が複数名。
俺とヤマと笹部が実験室に入った途端、萎縮したのがよくわかる。
三枝に何かしたのか、しようとしていたのか。
似合いすぎるのも問題だな。

俺の近くにいなければ、三枝がここまで注目されることは無かっただろうしな。
巻き込んだ手前、そのフォローはしないと。


「まだ始まったばっかなのに、廊下に列が出来てたぜ?」

「そうなん??
中から外が見えへんし、全然わからへんねん。
場所が変わったのにありがたいなぁ」


空いた席を案内しながら、笹部にふわりと笑い返す三枝。 
昇降口から一番近い準備号が貼られた新聞部の掲示板の脇に、この部屋までの順路がしっかり書かれた宣伝ポスターが準備段階から貼られていたからな。
アリス姿を生で見たがる生徒も来場者も、吸い寄せられて集まっているんだろう。
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