ヘタレαにつかまりまして

16 約束

3

｢二期、勤めるつもりなのか？｣


｢うん、言ってなかった？｣


あっさり肯定。
聞いてない、が、まぁ、いいか。
生徒会長に立候補すると、突然言い出したときよりは驚きが少ない。
ヤマが続投を表明した時点で、対抗馬も出ずに当選は確定だろう。

萩野は、ヤマのことを性格含めてボンクラ呼ばわりするが、試験でヤマを学年一位の座から引きずり下ろすαは相変わらず居ないし、体育の授業でも手を抜いて周りに合わせているのが伝わってくる。
他のαと比べても、ヤマの能力はずば抜けて高い。
ヤマを敵に回してまで、面倒な生徒会を運営したがる人間が現れるとは思えないしな。

ヤマが生徒会長を二期続けるメリットは・・・


｢ヤマは、生徒会則で何かするんだな？｣

｢ん、そうなんだよ！
職員会議と学園長許可はいるけどさ。
手っ取り早く環境改善しようと思ったら、毎年四月に施行出来る生徒会則が有効だなって。
一期だと改選までの半年だけど、二期だと一年半。
二期中に次期生徒会長を育てたら、卒業するまで継続されるし｣