ヘタレαにつかまりまして

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そもそもヤマは、教科書も真っ白なノートも今まで学校に置きっぱなし。
俺が持ち帰るのに合わせてくれてるだけだ。

この東の離れは、清人さん達が使用している南の離れ同様、元々分家が短期滞在使っていた場所。
不足があれば気軽に言って欲しいとは、陽太さんから言われたが。
教科書を保管する棚は、チェスト。
勉強机は、ハイテーブルとチェアで代用している。


｢あ、あのさ、カナ。
もうすぐ夏休みだろう？
俺と一緒にどこか行ってくれない？｣


鞄を閉め直しながら、モジモジ聞いてくるヤマ。
日も場所も、さっぱりわからない曖昧な誘いだな。
それ以前に、番のΩにそこまで下手に出なくても、いつでも俺のために時間は空けておけ、とか。
それが言いにくいなら、いつの何時に一緒に遊びに行くぞとか、具体的に指示しろよ。