266 / 1,039
12 逆転
24
しおりを挟む
待ちきれないのか、廊下を走って戻って来た飛鳥さんと陽太さんに、互いの番の横に立っていた遥馬さんと俺は手を捕まれそのまま部屋の中へ強引に引きずられてしまった。
「カナに触るなぁっ」
「陽太さん、ハルを返せっ」
飛鳥さんがしっかりと鍵をかけていた扉の外で騒ぐ二人に、陽太さんの鋭い一括。
「うるさいっ、刺されたいかっっ」
静かになった、な。
さすが、陽太さ・・・ん?
手に持ってるヒラヒラはなんだろう?
涙目の遥馬さんが、陽太さんに壁際まで追い詰められてるように見えるんだが。
油断していた俺の肩を、飛鳥さんに触れられて。
振り返った俺に、飛鳥さんはニッコリと手にしたヒラヒラを寄せてきて。
「奏ちゃん、自分であっちの仕切りの向こうで着るのと、私が着替えさせてあとから倭人のお馬鹿さんがうるさく騒ぐのとどちらが良いかしら?」
着ない、という選択肢は与えられず、俺も遥馬さんも互いに用意されたスペースでモゾモゾと着替えて。
陽太さんと飛鳥さんからの大絶賛を受けながら、なんともやりきれない引きつった笑顔で乗り切った。
「カナに触るなぁっ」
「陽太さん、ハルを返せっ」
飛鳥さんがしっかりと鍵をかけていた扉の外で騒ぐ二人に、陽太さんの鋭い一括。
「うるさいっ、刺されたいかっっ」
静かになった、な。
さすが、陽太さ・・・ん?
手に持ってるヒラヒラはなんだろう?
涙目の遥馬さんが、陽太さんに壁際まで追い詰められてるように見えるんだが。
油断していた俺の肩を、飛鳥さんに触れられて。
振り返った俺に、飛鳥さんはニッコリと手にしたヒラヒラを寄せてきて。
「奏ちゃん、自分であっちの仕切りの向こうで着るのと、私が着替えさせてあとから倭人のお馬鹿さんがうるさく騒ぐのとどちらが良いかしら?」
着ない、という選択肢は与えられず、俺も遥馬さんも互いに用意されたスペースでモゾモゾと着替えて。
陽太さんと飛鳥さんからの大絶賛を受けながら、なんともやりきれない引きつった笑顔で乗り切った。
21
お気に入りに追加
1,765
あなたにおすすめの小説

白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。


上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

花婿候補は冴えないαでした
いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。
本番なしなのもたまにはと思って書いてみました!
※pixivに同様の作品を掲載しています

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載


孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる