ヘタレαにつかまりまして

11 保健室

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｢好き｣


その一言は、聞き逃しそうになるくらい小さいのに。
ぼそっと呟く声はあまりに実感を帯びていた。
その口から吐き出される息とともに、ヤマの固まっていた身体から力が抜けていく。

え、なに、言ってるんだ？
好きって、俺相手に、えぇっ？！
振り切りすぎだろうっ


｢かなちゃんまで顔真っ赤～｣

｢うるさいっ｣


ニヤニヤ嗤う竹居を睨むが全く動じない。
竹居はヤマの横に腰掛け、その肩を気安く寄せた。


｢まぁ、本人も自覚したことだし、これでかなちゃんを俺達が護る名目もはっきりした。
かなちゃんは、俺達のリーダー菊川の番であり愛し人。
菊川は、フェロモンで公然と周りに示せよ｣