ヘタレαにつかまりまして

三日月

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昨日の夕食・・・
ヤマは、いつもなら時間にはゆとりをもって屋敷には来ていたのに。
その日の夜の食堂には、滑り込みで入ってきて少し口をつけると出ていって。
慌てて追いかけても、廊下を覗いたときには姿が見えず。

念のため、ヤマが屋敷で使っていた部屋を覗いたけど、そこにもいない。

なんなんだ、アイツ。
Ωに嫌われていたことが、そんなにショックだったのか?
そんなことでαが人前で大泣き、とか・・・
ヤマの泣き顔を思い出して、チクチク胸が痛む。
あのバカ、あんなに泣くことないだろう。

離れに戻ってから、話しかけようとする度に部屋を出ていったり、あからさまに避けられて。
俺が寝るまで、ベットにも入ってこなかった。

あれから・・・ヤマが泣いてから目も合わせてない。
同じ部屋にいても自分の世界に閉じ籠ってるし、声をかけただけで泣きそうな顔するし。

本当に、なんなんだ、アイツ。


「奏ちゃん、やっと見つけた~」


今朝も朝食後に逃げられ、足取り重く廊下を歩いていたら、飛鳥さんがヒラヒラ手を振り前から近づいてきた。
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