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「あぁ、そちらが」
「き、菊川 倭人です」
桜宮家に着いた俺たちを待っていたのは、両親並びに親族会議メンバー。
通された応接室に、ずらずら並んだ総勢二十数名から、飛鳥さんもヤマも無遠慮に見られているこの状況が申し訳ない。
まさか、業務を放り出して親族トップ全員が集まってくるとは思わなかった・・・
インタビュー後、菊川物産の社食を会議室で頂いてる辺りからヤマは緊張のしすぎで真っ青。
いつも俺の二倍近く食べるのに、水分補給が精一杯。
飛鳥さんはそんなヤマをからないながらいつも通りご飯を食べていて、今も動じることなくお詫びとことの顛末を父さん達に説明している。
俺は、この談話室に通されてから全員の名前紹介をして一歩下がり、ヤマの横で立っているんだけど。
ヤマの緊張がピリピリ伝わってきて心配だ。
αモードより素の方が恐らく受けは良いと言ってみたけど、ガチガチに固まってるし。
紹介の際に名乗った時点で、視線の刃にかなりダメージ受けたんだろう。
まぁ、親族といっても全員桜宮財閥に関わる重責を担う人達ばかりだからな。
フェロモン無しでも高校生が太刀打ち出来るわけがない。
Ωの俺を気に掛け慈しんでくれた分、俺の番、菊川倭人の存在はどう受け取られているのか。
・・・αやヤマ個人にだけ照準を合わせた、威圧フェロモンを出したりはさすがにしてないよな?
父さんも、さすがに・・・背中を見つめていたら気付かれたらしい。
首だけ振り返った父さんは、穏やかな笑顔。
全く心情を読ませてくれない、仕事モードだ。
「き、菊川 倭人です」
桜宮家に着いた俺たちを待っていたのは、両親並びに親族会議メンバー。
通された応接室に、ずらずら並んだ総勢二十数名から、飛鳥さんもヤマも無遠慮に見られているこの状況が申し訳ない。
まさか、業務を放り出して親族トップ全員が集まってくるとは思わなかった・・・
インタビュー後、菊川物産の社食を会議室で頂いてる辺りからヤマは緊張のしすぎで真っ青。
いつも俺の二倍近く食べるのに、水分補給が精一杯。
飛鳥さんはそんなヤマをからないながらいつも通りご飯を食べていて、今も動じることなくお詫びとことの顛末を父さん達に説明している。
俺は、この談話室に通されてから全員の名前紹介をして一歩下がり、ヤマの横で立っているんだけど。
ヤマの緊張がピリピリ伝わってきて心配だ。
αモードより素の方が恐らく受けは良いと言ってみたけど、ガチガチに固まってるし。
紹介の際に名乗った時点で、視線の刃にかなりダメージ受けたんだろう。
まぁ、親族といっても全員桜宮財閥に関わる重責を担う人達ばかりだからな。
フェロモン無しでも高校生が太刀打ち出来るわけがない。
Ωの俺を気に掛け慈しんでくれた分、俺の番、菊川倭人の存在はどう受け取られているのか。
・・・αやヤマ個人にだけ照準を合わせた、威圧フェロモンを出したりはさすがにしてないよな?
父さんも、さすがに・・・背中を見つめていたら気付かれたらしい。
首だけ振り返った父さんは、穏やかな笑顔。
全く心情を読ませてくれない、仕事モードだ。
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