ヘタレαにつかまりまして

5 都市伝説 side 倭人

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俺なんかが、幸せにしたいなんて言えた立場じゃないよな。
この部屋に籠ってる間、桜宮を抱きたい自分の欲望ばかり押し付けていた。

たまに、意識がそれ以外に向いても、桜宮の何気ない仕草にすぐに火がついて抑えられなかった。
寝顔を見続けることさえ、初めの頃は我慢出来なかったし。

俺のフェロモンに包まれて寝てる桜宮。
あんまり無防備に寝てたからそっと頬に触れてしまって、ふっくら色付いた唇にも触りたくなって。
細い首や肩、胸とかなぞり始めたら止まらなくなってた。
俺と全然違う華奢な身体が、全部俺を誘って見えた。

今だって、バスローブの下から見える細くて白い足が擦れあったり、ちらっと動くだけでドキドキする。
もっと胸元を隠してほしい。
風呂上がりの桜宮は、ツヤツヤ光って香る果物みたい、可愛すぎる。

この部屋にいる他のαに、母さんや姉貴に見せたくない。　
βとわかっていても、周りにいるのが当たり前な使用人に見られるのも嫌だ。