ヘタレαにつかまりまして

4 予想外

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陽太さんは、寝ている菊川を一瞥し眠りが深いことを確認。
俺の背に回ってシーツと背中の間に腕を差し込み、ゆっくり起き上がらせると、ベットの上からでも届くサイドテーブルに視線を向けるよう指で促された。


｢すぐに食べられる果物と、日保ちするカップラーメンにケトルと水。
あと栄養補給のゼリー、タオルとシーツの代えと念のため携帯トイレも持ってきた。
あの扉出て直ぐ右に曲がって、しばらくいかないとトイレないからさ｣


指差した場所には、朝方に運び込まれたらしい物資が溢れ、載り切らないものは床に積まれていた。
俺達が寝ている間に、陽太さんは何往復してくれたんだろう。

だが・・・なんでこんなに？
しかも、携帯トイレ？
まるで災害時の非常物資並じゃないか。
誰も近寄れないにしても、量が多すぎる。
2、3日とかの量じゃない。


｢あの量は、どういうことでしょうか？｣


すぐには答えて貰えず、先にゆっくりベットに寝かされ気持ちが焦る。
陽太さんの優しすぎる視線が怖い。
なんだか、憐れみさえ感じるんだが。


｢そのうち落ち着いてくると思うけど、童貞の分際で発情Ωに手を出したバカ息子は、暫く自分をコントロールが出来ない。
無理矢理桜宮さんと引き剥がすと、いつまでたっても飢餓状態で姿見せたら襲うストカーになるしな。
それよりマシと思って、落ち着くまで付き合ってやって｣


｢足りない分は、また追加するから｣と続ける陽太さん・・・ちょっ、待ってくださいっ