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4 予想外
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背後から力任せに激しく何度も打ち付けられ、絨毯との摩擦で俺の膝も腕も赤く染まっていた。
なのに、菊川の指がどこに触れても、その僅かな刺激でビリビリ甘い痛みが走る。
ガブリと肩や背中に牙を突き立てられれば、悦びに啼いて身体をしならせた。
甘噛みとはとても言えない、皮膚を割かれる痛みが走っても悲鳴より矯声が漏れてしまう。
「んッ⋯ふぁ⋯ぁんっっ」
それは、指で弾かれるだけでも耐え難いほど震えてしまう敏感になっている肌には刺激が強すぎる。
呻いているのか、ねだっているのかも妖しい声が出てしまう。
無理矢理反転させられた動きが、内側を引っ掻くような痛みを呼んだがその余韻さえ甘く響いていて耐え難い。
中からも外からも絶え間ない快感に晒され、内腿はびくびく痙攣が止まらなかった。
強引な菊川に腰を捕まれ揺さぶられ、求められる体勢をなんとか保っていたけれど。
今まで感じたことの無い快感を立て続けに強要され、自分の意思では四つん這いになることも出来無い。
全身で荒い呼吸を繰り返し狂気に嗤う菊川には、それが面白くなかったんだろう。
隙間なく穴を塞いでいた菊川の性器が、突如ズルリと抜けて出ていった。
ニュポ⋯⋯
生々しい粘着音。
ぽっかりと開いたままの後孔は、クパクパと微力な開閉を繰り返し、早く埋めてと菊川の怒張を求めて止まない。
菊川は、力が入らない俺に自分で膝を立たせるよう腰を掴み直した。
思考の危うい俺は、Ωの本能に従いなんとかその命令をきかなければと必死で四肢に力を込める。
ポトリポトリと身体のあちこちから汗が吹き出ていて、まるでシャワーでも浴びたかのような濡れ具合。
ベットリと指先に絡んでくる絨毯の毛糸に爪を引っ掛け、菊川に背を向けて四つん這いになった。
菊川の両手が、腰を離れ、背中をなぞり、ついにうなじへとたどり着く。
その場所に、深く刻んだ牙の跡、先約がないことを確かめるように指の腹を押し付けられただけで、期待で声にならない矯声が漏れた。
菊川の、αの視線をそこに感じ、チリチリ焼けるような痛みが生まれる。
カリッと、菊川が何気ない動作で爪で先程自分がつけた薄い噛み跡を引っ掛いた。
「ああああぁぁあーーーーーッッ」
記憶が飛ぶような、強烈な刺激。
べシャリと床に身体が崩れ落ち、果てたばかりの性器からシャバシャバ透明な液体が溢れ床に新たな染みを作った。
「⋯⋯は、はや⋯く、ハヤク、カンデ」
もう待てない。
床に爪を立て、背中を反り、腰を上げて懇願する。
番になるために、このはしたない後孔を埋めて噛んで欲しい。
一層強く溢れた俺の発情フェロモンは、菊川の制圧フェロモンを呑み込み部屋を占拠していた。
なのに、菊川の指がどこに触れても、その僅かな刺激でビリビリ甘い痛みが走る。
ガブリと肩や背中に牙を突き立てられれば、悦びに啼いて身体をしならせた。
甘噛みとはとても言えない、皮膚を割かれる痛みが走っても悲鳴より矯声が漏れてしまう。
「んッ⋯ふぁ⋯ぁんっっ」
それは、指で弾かれるだけでも耐え難いほど震えてしまう敏感になっている肌には刺激が強すぎる。
呻いているのか、ねだっているのかも妖しい声が出てしまう。
無理矢理反転させられた動きが、内側を引っ掻くような痛みを呼んだがその余韻さえ甘く響いていて耐え難い。
中からも外からも絶え間ない快感に晒され、内腿はびくびく痙攣が止まらなかった。
強引な菊川に腰を捕まれ揺さぶられ、求められる体勢をなんとか保っていたけれど。
今まで感じたことの無い快感を立て続けに強要され、自分の意思では四つん這いになることも出来無い。
全身で荒い呼吸を繰り返し狂気に嗤う菊川には、それが面白くなかったんだろう。
隙間なく穴を塞いでいた菊川の性器が、突如ズルリと抜けて出ていった。
ニュポ⋯⋯
生々しい粘着音。
ぽっかりと開いたままの後孔は、クパクパと微力な開閉を繰り返し、早く埋めてと菊川の怒張を求めて止まない。
菊川は、力が入らない俺に自分で膝を立たせるよう腰を掴み直した。
思考の危うい俺は、Ωの本能に従いなんとかその命令をきかなければと必死で四肢に力を込める。
ポトリポトリと身体のあちこちから汗が吹き出ていて、まるでシャワーでも浴びたかのような濡れ具合。
ベットリと指先に絡んでくる絨毯の毛糸に爪を引っ掛け、菊川に背を向けて四つん這いになった。
菊川の両手が、腰を離れ、背中をなぞり、ついにうなじへとたどり着く。
その場所に、深く刻んだ牙の跡、先約がないことを確かめるように指の腹を押し付けられただけで、期待で声にならない矯声が漏れた。
菊川の、αの視線をそこに感じ、チリチリ焼けるような痛みが生まれる。
カリッと、菊川が何気ない動作で爪で先程自分がつけた薄い噛み跡を引っ掛いた。
「ああああぁぁあーーーーーッッ」
記憶が飛ぶような、強烈な刺激。
べシャリと床に身体が崩れ落ち、果てたばかりの性器からシャバシャバ透明な液体が溢れ床に新たな染みを作った。
「⋯⋯は、はや⋯く、ハヤク、カンデ」
もう待てない。
床に爪を立て、背中を反り、腰を上げて懇願する。
番になるために、このはしたない後孔を埋めて噛んで欲しい。
一層強く溢れた俺の発情フェロモンは、菊川の制圧フェロモンを呑み込み部屋を占拠していた。
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