ヘタレαにつかまりまして

三日月

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3 お花畑

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まずは、俺がΩだと認識させるところから始めた方が良いかもしれないな。
αとΩの違いを見せるなら、うん、全裸が一番わかりやすいか。
なにせ、ペニスの大きさがまるで違う。
それに、この日のために萩野がΩ風俗でも使われているスキンケアで全身手入れをしてくれているし。

壁から足を下ろし、ベルトを外しにかかる。
学校では、常に両親のαフェロモンに守られていたが、上半身裸くらいなら体育の着替えで見られてしまう機会はあった。
他のαの所有フェロモンが無くなったくらいで、この格好を見ても急にそんな気は起きないか。

それに、どうもコイツは俺が知っているαとズレている。
フリーのΩがいれば、αは興味本意で喰いたくなるんじゃないのか?
無戸籍のΩもいるから、正確な人口はわからないが。
統計上のΩは年々減少傾向、αの跡取りを望む人間にとって稀少品だ。

俺のように生まれも育ちも保証され、しかも他のαを知らないΩなんて⋯萩野からは、結構怖いことを聞かされてきたぞ。
外でΩとバレたら、即刻、誘拐拉致監禁。
それが友達やその親でも関係なく、孕むまで拘束されるから、自宅以外で遊ぶことも学校行事の外泊も許してもらえなかった。
唯一の外出先だった学校でも、GPSに盗聴マイク、速効性の抑制剤を常に携帯。
萩野が常に警護についていたし。


「ひっ
桜宮、止めろって!」


急に大人しくなった俺が気になったらしく、チラリとこちらを振り返った菊川は目を見開いて青ざめた。
そんなに拒まれると、流石に俺も傷つくんだが。

まぁ、俺自身に魅力が無いことは諦めよう。
発情フェロモンさえ出てしまえば、コイツに拒否権は無い。
発情フェロモンに煽られた菊川に脱がされるんだから、先に脱いでおいても変わらないしな。
全部一気に脱いでしまえと、下着ごと掴んだ手を熱い塊が覆った。
いつの間にこんな近くに来ていたんだ?
俺より一回りでかい掌に、手首を捕まれ動きを遮られていた。

一瞬合わさった唇は冷たかったのに。
菊川の汗ばんだ掌から伝わる熱は、俺より熱い。
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