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3 お花畑
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「そう言えば、奏の同じクラスに弟がいると言う話だったね。
今日の反応はどうだった?
前もって知らせる数は最低限。
奏がΩであることは、当事者以外には身内でも教えないようにとこちらから強くお願いはしていたんだけれど」
バース性混在の学園で、万一フリーのΩであることがバレれれば最悪の事態に成りかねない。
父さんは微笑んでいるように見えて目は笑っていない。
「俺が実姉の番になると言うことを知ってるようには見えなかったよ。
俺がΩであることは、あちらの弟も含め学園中の誰一人気づいてない。
いつまで経っても、親のフェロモンに守られている箱入り息子と思い込ませたままだよ」
俺の周りを柔らかく包み込んでくれている両親の所有フェロモン。
俺がどれだけ大切なものか濃厚に示し、格下の人間を周りに寄せ付けない。
Ωは発情フェロモンしか出せないし、それは自分ではコントロールできないものだ。
αは、感情の起伏に左右されるフェロモンを操ることができる。
この決定的な差を埋めるため、父さんと母さんは毎朝愛情いっぱいのフェロモンを移してくれていた。
αであれば、咄嗟にフェロモンを出してしまうような場に遭遇したときのカモフラージュでもあるけれど、バレないよう極力他人との交流を抑えるための防御壁でもあった。
桜宮財閥の御曹司としての俺に擦り寄ろうとするαは多いからな。
三枝だけは気にせず話しかけてきたが、それは恐らくこれまでフェロモンに気を使う習慣がなかったからだろう。
朝の挨拶と一緒に習慣化した、フェロモンをたっぷりつけながら長めのハグ。
明日から、親離れ出来ない"αのかなちゃん"になることがないのは寂しいな。
からかわれるのは嫌だったけど。
優しく包み込んでくれる二人のフェロモンは、嫌いじゃなかった。
今日の反応はどうだった?
前もって知らせる数は最低限。
奏がΩであることは、当事者以外には身内でも教えないようにとこちらから強くお願いはしていたんだけれど」
バース性混在の学園で、万一フリーのΩであることがバレれれば最悪の事態に成りかねない。
父さんは微笑んでいるように見えて目は笑っていない。
「俺が実姉の番になると言うことを知ってるようには見えなかったよ。
俺がΩであることは、あちらの弟も含め学園中の誰一人気づいてない。
いつまで経っても、親のフェロモンに守られている箱入り息子と思い込ませたままだよ」
俺の周りを柔らかく包み込んでくれている両親の所有フェロモン。
俺がどれだけ大切なものか濃厚に示し、格下の人間を周りに寄せ付けない。
Ωは発情フェロモンしか出せないし、それは自分ではコントロールできないものだ。
αは、感情の起伏に左右されるフェロモンを操ることができる。
この決定的な差を埋めるため、父さんと母さんは毎朝愛情いっぱいのフェロモンを移してくれていた。
αであれば、咄嗟にフェロモンを出してしまうような場に遭遇したときのカモフラージュでもあるけれど、バレないよう極力他人との交流を抑えるための防御壁でもあった。
桜宮財閥の御曹司としての俺に擦り寄ろうとするαは多いからな。
三枝だけは気にせず話しかけてきたが、それは恐らくこれまでフェロモンに気を使う習慣がなかったからだろう。
朝の挨拶と一緒に習慣化した、フェロモンをたっぷりつけながら長めのハグ。
明日から、親離れ出来ない"αのかなちゃん"になることがないのは寂しいな。
からかわれるのは嫌だったけど。
優しく包み込んでくれる二人のフェロモンは、嫌いじゃなかった。
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